【書類選考編・インターナショナルスクール】現役人事担当者が語る重要なポイント

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インターナショナルスクールの書類選考 面接・書類選考
2022.9.13  2022.12.1

インターナショナルスクールの書類選考

一般企業の面接対策について紹介してくれる記事はあっても、インターナショナルスクール(プリスクール含む)の面接となると、紹介している記事も無ければ、周りに経験者もいないということで、対策準備に困る方も多いかと思います。

前回の[面接対策編]に続き、今回は[書類選考編]。書類選考を通過できなければ、面接の機会すら得られないですし、ぜひ、書類で採用担当者の期待を得られるようにしましょう。

ここでは、インターナショナルスクールで100人以上の面接を行なってきた著者が、面接で大事と思われるポイントについてお伝えしていきます。リアルな経験からのアドバイスですので、ぜひご参考になさってください。

ポイント1:まずはメールが重要。その理由と対策とは・・・?

ノートパソコン

採用フローの中では、履歴書・職務経歴書等の書類選考がありますが、書類選考過程における選考要素として見過ごしがちなのが、メールです。採用担当者とのやり取りはメールが中心ということを考えますと、メールが与える相手への印象一つで、面接までこぎつけられるかどうかに影響する可能性があります。

メールが大事な理由は以下の通りです。

●保育園において、保護者とのやり取りは、文字でのやり取りも多いです。そのため、メールで採用担当者に好印象を与えられる人というのは、保護者にも好印象を与えることができます。
受け手側が受ける印象を想像し、理解できるセンスというのは、採用担当者にも評価されやすく、大事にされるポイントです。

●インターナショナルスクールにおいては、教育や保育に関するトレーニングができるスタッフは充実していても、社会人マナーやビジネスマナーを指導するようなスタッフはあまりいませんし、そこにまで力を入れられているスクールはごく少数です。ですので、元から社会人マナーやスキルを身に付けている、指導の必要のない求職者というのは、採用担当者にとっては大変ありがたい存在です。ですので、メールで、基本的な社会人マナーやスキルがあることを伝えたいところです。

たとえ、あなたにビジネススキルが無かったとしても、インターネットで検索すれば、メールマナーについて、文例も含めて多くの事例が出てきます。採用担当者はきっと、あなたがネットで検索した付け焼き刃のメールということを見破るかもしれませんが、場面に応じて自分で調べ、学び、成長していく人材として、評価してくれる可能性があります。受け身ではなく、自主的かつ主体的に取り組んでいるからです。

では、以上を踏まえた上でのメール対策を見ていきましょう。

【メール対策1】人間味の伝わるメールを書く。

スクールスタッフは、人と接するのが仕事の中心ですので、型にはまり過ぎた、人間味の無いメールはあまり適しません。ビジネスメールでは、簡潔に要点をわかりやすくまとめることが重視されがちですが、たとえ不器用でも、長文で、あなたの熱意や人間性が伝わるメールの方が、よっぽど好評価です。

【メール対策2】「!」を使うのはどうか?

それは、ケースバイケースです。使用頻度は限りなく少なくし、ただ、熱意とやる気のある候補者として、メール本文の中で1箇所使う程度であれば、良いかもしれません。堅苦しい内容だけだと、冷たい印象を持たれ、柔軟性の無い堅物と思われるかもしれません・・・(笑)

【メール対策3】メールでのやり取り回数が少なく済むようにする。

相手の質問には余すことなく全てに適切に回答し、その後に想定される質問にも事前に予想して言及しておくのが良いでしょう。相手の立場や状況にも配慮した適切な内容で送るようにしてください。

ポイント2:履歴書・職務経歴書で確実に戦略的にアピール

インターナショナルスクールの履歴書

履歴書と職務経歴書は、面接までこぎつくための最重要資料ですので、しっかりと自己アピールをするようにしましょう。

ポイントとしては、「形式にとらわれない」「採用担当者が欲しい情報を伝える」「見やすくてわかりやすい」「謙遜しない」です。

コンビニ等でも売られている、昔からある手書きの履歴書や職務経歴書ですが、フォーマットも書き方のルールもおそらく、何十年も変わっていません。ですが、この形式を重視している採用担当者はいないと考える方が良いでしょう。それよりも、採用担当者が欲している情報をわかりやすい形で、しっかりと盛り込み、謙遜することなくしっかりとアピールすることに注力してください。

具体的に見ていきましょう。

プロフィール写真は貼る

「顔写真により採用の判断がされる」ということを避けるため、海外では、写真貼付についてのルールが厳しいところもありますが、採用担当者としては、顔も分からない人と面接当日に顔を合わせるというのは、心理的プレッシャーがあるのは事実ですし、未だに日本では顔写真貼付が一般的という実情がありますので、プロフィール写真は貼付するようにしましょう。

わざわざ撮り直す必要は無いかもしれませんが、少しでも良い印象を顔写真で与えるのであれば、何点かポイントがあります。

まず、笑顔の写真にしましょう。子どもに接する教育者には、明るく快活な人格が好まれます。笑顔の写真がマイナスの印象を与えることはありませんので、笑顔の写真にするのが良いです。

また、教育現場は、新卒採用よりも、経験のある中途採用が好まれます。写真における服装ですが、若々しく、新卒という印象の強いリクルートスーツよりも、少しリラックスした色・デザインのスーツまたはオフィスカジュアルが良いでしょう。

和暦ではなく、西暦で記入

口頭での会話で、和暦(昭和・平成・令和)で会話することはありますか?おそらくほとんど無いかと思います。

採用担当者は、あなたの履歴を時系列に読み解いていきますが、和暦の場合、昭和・平成・令和の3時代をまたぐことだってあります。学歴や職歴、海外歴といった情報を見ていく際に、それぞれ何年のスパンであるのかは、和暦だと分かりづらいことがしばしばあります。

採用担当者に脳内で西暦に変換してもらうのではなく、はじめから、西暦で書くようにしましょう。

海外生活に関しての履歴をしっかりと書く

海外生活に関しての記述は、特に履歴書の学歴欄や職歴欄における従来のルールでは、記入しづらい内容となります。ですが、採用担当者にとってあなたの海外経験は、「国際的な視野と経験を持った教育者かどうか」「語学力をはかる指標の参考」としても非常に重要なポイントです。

インターナショナルスクールでの求人応募書類ですから、しっかりとスペースを使って必ず記入し、職務経歴書だけでなく、履歴書にも書くようにしましょう。

手書きはやめて、パソコンで作る

業務でのパソコンをはじめとしたICT機器の使用の割合は、年々増えている印象です。ICT機器も問題なく使用できるか、理想を言えば、高いレベルで使いこなせるか、というところまで伝わるような履歴書と職務経歴書であれば、採用担当者へのアピールに繋がります。これもビジネスマナーのとこでお伝えしたことと同じで、インターナショナルスクールでは、社会人マナーやビジネスマナーを指導するようなスタッフがあまりいないですので、ICT機器を使いこなせることは良いアピールになります。

ここでも、形式にこだわるのはやめて、オリジナリティを出しても良いでしょう。

ですが、日本人の履歴書はどれもフォーマットはほぼ同じですし、この形式を大きく変えてしまうことは、採用担当者にとっては逆に見づらい結果となる可能性もありますので、旧来の形式に近いもので良いです。

逆に職務経歴書は、自由度が非常に高いものですし、そもそも「職務経歴書」というタイトルである必要もありません。別のアピールシートやポートフォリオ、各種書類を添付したって当然良いわけです。自己アピールのために、パワーポイントでスライドを作ったり、画像や動画をメールに添付するのも良いでしょう。または、Googleサイトという無料のサービスで、自己アピールをするHPを自作しても良いです。

書類は、フォントやレイアウト等の体裁をしっかりと整え、Word、Excel、PowerPoint等のファイルはpdfに変換して送るようにしてください。

動画の送信を検討

採用担当者の立場からすれば、文字→画像→動画の順番で求職者に関する情報量は多くなっていきますので、動画の有効活用はぜひ検討してください。

前職場でのコンプライアンスや生徒の個人情報等に配慮した形で、クラス・レッスンを録画できれば、採用担当者にとってその動画は、100時間の面接よりも価値のある情報です。動画の提供は記録に残るため、それが難しれば、面接時に視聴だけしてもらうという形でも良いでしょう。

想像力不要の応募書類

あなたが数年にわたって積んできた濃密な経験も、紙にたった1行の文字で記してしまうと、とてもあっけないものです。そして、採用担当者へ伝わる情報は非常に限定的。読み手側の想像力に期待せず、直感的に伝わりやすい形で、しっかりとアピールしてください。

文字でしっかりと伝えることもそうですが、やはり、写真や動画も活用したいところです。

自己アピールで謙遜してはいけない

謙虚さや協調性は、面接時にアピールすれば良いです。面接にこぎつけるまでは、とにかく自己アピールを最優先にしてください。海外の方のレジュメは、とにかく自己アピールがすごいです。

まとめ

今回は、インターナショナルスクールでの書類選考で必要な対策についてまとめました。インターナショナルスクールは、多様で先進的な取り組みを柔軟に取り入れていく場であり、そこで働く職員に求められるスキルも、一つのことに特化して優れていれば良いというわけではありません。

社会人として、そして子どもたちの教育者としてあなたが求められる資質は、人としての総合力といっても良いかもしれません。あなたの魅力を余すことなく伝えられるよう、そして書類選考の段階からアピールできるよう、ぜひ対策をしてみてください。

著者プロフィール

CGKインターナショナルスクール
理事長 甲斐実

横浜にてインターナショナルスクールを経営。プリスクール(英語保育園)、アフタースクール(小学生英語学童)を起ち上げ、2023年からは初等部を開校。

Web: https://cgkis.com/ja/

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