一般企業の面接対策について紹介してくれる記事はあっても、インターナショナルスクール(プリスクール含む)の面接となると、紹介している記事も無ければ、周りに経験者もいないということで、対策準備に困る方も多いかと思います。
ここでは、インターナショナルスクールで100人以上の面接を行なってきた著者が、面接で大事と思われるポイントについてお伝えしていきます。リアルな経験からのアドバイスですので、ぜひご参考になさってください。
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ポイント1:明るいあいさつ、人見知りしない性格、社交性
チームで働く上でも、職場の雰囲気や環境を良くする上でも重要というのはもちろんありますが、先生の役割として、保護者対応も重要なスキルの一つとなります。日頃の教育・保育は、日々の研修などで改善していけば良いですが、保護者対応については、一度ついた悪い印象を挽回するには時間がかかるもの。保護者対応が上手じゃないことで、勘違いされたり、悪い印象を与えてしまうことで、日々の努力が報われないという先生も多くいます。
よって、人事担当者も、人との接し方、そして、人に与える印象というものを重視して見ています。インターナショナルスクールだからというよりは、教育者として働いていく上では、重要なポイントだと言えるでしょう。最低限の対策として、面接官だけでなく、他のスタッフにも大きな声で明るく挨拶をし、社交的な自分をアピールしてみてください。
ポイント2:子ども好きをアピール
子どものいる環境で働くわけですから、当然、最も重要といっていいでしょう。子ども好きだからといってプラス評価にはなりませんが、子ども好きで無いように見えてしまうことは、非常に大きなマイナス評価となります。
保育士や幼稚園教諭、教員免許(特に小学校ぐらいまで)は、持っているだけで、子どもが好きということを証明しているようなものですが、管理者、事務員、外国人講師等は、必ずしもそういった資格の保持者ではありませんので、面接の際に子どもと触れ合う機会があれば、子ども好きであることが伝わるよう、自然にアピールしましょう。
ポイント3:英語面接対策
インターナショナルスクールで働くには、当然のことながら、高い英語力を求められます。履歴書だけで判断されることもあれば、面接官が英語で面接したり、または、外国人講師が英語力チェックをしたり、クラス内での実習・実践の中から英語力をチェックされることもあります。
英語力をあげることは一朝一夕でできるものではないですので、ここでは、英語力以外の部分での対策をまとめてみます。もちろん、英語から遠ざかっている人は、英語を思い出すためにスピーキングの練習をしたり、事前に質問内容を想定して、準備しておくことも並行して行ってくださいね。
英語力チェックをするという旨を伝えられても苦い表情をしない。
採用者として一番困るのが、英語力に自信が無いから、相手に伝えようとすることを諦める人です。入社後、完璧な英語でなくても、物怖じせず、一生懸命話せる人というのは、こういった面接の時でも、苦い表情をせず、「頑張ります!」という前向きな雰囲気が伝わってくるものです。自信があっても無くても、謙遜せず、当然のことのように、自信ある態度で取り組んでみてください。
日頃から英語学習に取り組んでいるということを伝える。
「英語力は少し足りないけど、その他の点は優れているので、ぜひ採用したい」というポテンシャル採用のケースも多くあります。そういった場合に、英語学習に日頃から継続的に取り組んでいるということと、今後も一生懸命取り組んでいくということをアピールすると好評価です。英語の参考書やアプリ等を事前に準備しておき、すぐに見せられるようにしておいても良いと思います。勉強熱心で、成長していく姿勢をしっかりとアピールしましょう!
(英語のブランクがある人は)ピーク時は流暢に話せた旨と、すぐに取り戻せる旨を伝える。
あなたが、海外留学から日本に帰国して、現在、日本の保育園で働いているとしましょう。面接官は、履歴書・職務経歴書を確認し、「英語のブランクがあるので、元々ある実力は発揮できない可能性がある」「面接は求職者にとって緊張する環境であり、本来の実力が発揮できない可能性がある」という2点をよく理解しています。言い訳することをネガティブにとらえる面接官がいる可能性も否定はできませんが、基本的には、「本来の自分の英語力はこんなものではないんだ」「すぐに元の英語力が取り戻せるよう、今日から必死に努力します」ということを伝えるようにしましょう。
ポイント4:事前にHPやSNS等をチェックし、質問内容を考えておく
これはインターナショナルスクールに限らず、どこの職場でも同様です。自社に興味を持ってくれているかどうか、入社後も意識を高く持って働いてくれるか、理念に共感し同じ方向を向いて働いていけるか、という点で大事にしたいポイントです。質問は、その内容によって、求職者の思考力・批判的思考といったところまで垣間見える非常に重要なものです。限られた時間ではありますので、面接時点では重要でない質問は後回しにし、自己アピールに繋がる良質な質問をし、面接官に感心してもらえるような質問を心がけましょう。
質問は、メモ帳に事前に記しておき、メモ帳を見ながら質問してOKです。几帳面にしっかりと準備をする姿は、採用担当者から非常に喜ばれるポイントです。
ポイント5:面接中にメモを取る
「メモを取らせて頂いてもよろしいでしょうか?」と聞いてみましょう。実際に仕事が始まってからも、メモを取ることは重要ですし、何より、真剣に相手の話を聞いて、次に生かしていこうという印象に繋がります。全てのメモを取るのではなく、重要なところだけを上手にメモを取らないと、メモを取るのが下手だという印象になり、逆効果となることもあります。
これも、几帳面な側面をアピールする上で、良い対策といえます。
まとめ
インターナショナルスクールでの面接で必要な対策について説明してまいりましたが、採用に向けて、合理的な対策をすれば、どの業界であっても、自ずと似たような対策になるかと思います。
今後、子どもたちの未来において、より思考力が求められ、批判的思考が求められます。あなた自身も、旧来の形式や常識にとらわれることなく、本質を見極めながら、自分の行動一つ一つを突き詰めて、ベストな選択をしていけるよう心がけてみてください。
著者プロフィール
CGKインターナショナルスクール
理事長 甲斐実
横浜にて国際バカロレアIB認定校のインターナショナルスクールを経営。プリスクール(英語保育園)、アフタースクール(小学生英語学童)、初等部を起ち上げ、2025年からは中等部、2028年度からは高等部を開校。